NPO法人サービスグラント槇野吉晃さん

【オモシゴ!】
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社会人の経験を活かしたボランティア「プロボノ」

新しい社会解決支援の動きが起きている。プロボノと呼ばれる活動である。

「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語 pro bono publico を語源とする言葉で、「仕事で培った専門的なスキル・経験等をボランティアとして提供し社会課題の解決に成果をもたらすこと」を意味します。
(中略)
日本では2010年が「プロボノ元年」と言われ、経営戦略、マーケティング、IT、建築、映像、デザインなど、さまざまな経験・スキルを活かしたプロボノ活動に、関心が寄せられるようになってきました。

引用:「大阪ええまちプロジェクト」webサイト

社会課題に取り組むNPOをさまざまなビジネススキルを持つメンバーがボランティアとしてサポートすることを通して、社会問題の解決に成果を生み出すことが目的だ。

参加するボランティアにとっては、社会課題に触れ視野が広がるといった経験だけでなく、異なる分野でさまざまな経験・スキルをもつメンバーが集まることで新たな学びが得られる。

今回取り上げる認定NPO法人サービスグラントはそのプロボノプログラムの運営を通じたNPO支援を行う中間支援組織として2005年から東京で活動を開始、関西では2011年から活動を開始している。

槇野さんとサービスグラントの出会い

取材させて頂いたのは槇野吉晃(まきの よしあき)さん37歳。2017年春にサービスグラント関西事務局に入職した。槇野さん自身、東京で働いていた2012年頃にサービスグラントでプロボノを経験している。

サービスグラントの槇野さん

社会人9年目30歳の時、以前の職場で配置転換があり新しい仕事を任され知識や技術を学ばなければいけなくなった。当時の先輩からサービスグラントのプロボノという取り組みがあることを聞き活動へ参加しはじめた。

槇野さん「座学や本業以外に学ぶ場をちょうど求めていたタイミングでした。社会的にも意義がある活動でしたし、これまでの自分の経験で役に立てるかもしれない、という思いで、まずは話を聞いてみようと説明会に参加しました。」

プロボノへの最初の一歩を踏みだしたのである。

サービスグラントでは、チームを組んで具体的な成果物を作っていくプロジェクト型の支援が特徴だ。参加者それぞれが得意とするポジションを担当する。プロボノに参加することで自分自身のスキルを再確認したり、新しい人脈も出来る。プロジェクトの種類ごとに進行するためのマニュアルが整備されていて、サポート体制もしっかりしていることがわかり、槇野さんは安心して参加できると感じた。

槇野さん「東京では2件のプロジェクトに関わらせてもらいました。たった2件ですが支援先も違えば、一緒にチームを組んだメンバーも違うので、貴重な体験になりました。その時の経験があったからこそ、今は事務局の立場でプロジェクトに関わることができていると実感しています」

事務局としての仕事

槇野さんは現在、事務局としてプロジェクト運営とイベント運営を主に行っている。

支援を希望するNPOがサービスグラントへ助成申請を行う。そこからNPOに対して、これまでの活動や今抱えている悩みや課題のヒアリングを経て、支援内容が決まり、支援団体と支援内容の発表会を4月に行う。

サービスグラントに登録しているボランティアはプロボノワーカーと呼ばれているのだが、プロボノワーカーは希望する支援先に立候補し、その後チームが組まれ、5月ごろからプロジェクトがスタート、支援内容によって異なるが数ヶ月後に成果物を納品する。
※サービスグラントの年間スケジュール

プロボノワーカーに対しても、NPOに対しても、必ずプロジェクトが始まる前に丁寧な説明をして、プロジェクトを成功に導くための心構えを伝えるそうだ。

槇野さん「NPOに対してはプロボノの取り組みによって成果が出たという事例を増やしていきたいですし。プロボノに参加する人には地域社会で起こっていることに触れることができる機会にしてもらえれば。NPOとプロボノ、それぞれの専門性を活かして課題を乗り越えていくシーンに立ち会った時はこの活動に参加していてとても良かったなと思います。」

プロボノはボランティア活動なので、参加する方の自発性やモチベーションを保つことは重要だ。

サービスグラントの活動に興味を持った人が参加できる交流の場がある。毎月第3水曜日に開催されるプロボノWednesdayというイベントだ。社会問題を学び・知り・語り合い・深める場である。本町駅徒歩5分のハローライフで行っている。

毎月第3水曜日の夜には「プロボノWednesday」を開催

交流の場の開催だけでなく、チームビルディングのための相談役になることも。

槇野さん「以前に関わったプロジェクトで当初設定されていた成果物の目標との繫がりを一見感じにくい提案がチーム内で出されたことがありました。チームメンバー全員でのミーティングの場に参加したのですが、誰もその方の言い分を否定することなくしっかりと話を聞くと、真意が汲み取れていなかったことが分かりました。表面上の言葉や態度だけで判断するのでなく、その裏にある背景や思いが共有されてからは、チームとしての結束が強くなったように感じます。 」

互いが言いたいことを言い合える、たとえ自分とは違う意見を持っている人であっても、その気持ちにも寄り添えるように心がける。それがプロボノに関わる方のモチベーションを上げる一つのコツではないだろうか。

「大阪ええまちプロジェクト」で街を住みやすくする

2017年から「大阪ええまちプロジェクト」が動き出した。誰もが住みなれた街にずっと暮らせるようにしようというプロジェクトだ。いつかはみんな高齢者になる。高齢者が住みやすいということは、誰もが住みよい街になる、という狙いだ。

地域の魅力をみんなで磨くアイデアソンイベント「さぶみっと!ヨクスル in 大阪(2018年1月25日開催)」にプレゼンターとして、自身の取り組みを発表した。

具体的には高齢者の移動支援、居場所作り、社会参加などに取り組むNPO、地域団体を応援することが「大阪ええまちプロジェクト」の趣旨だ。

槇野さん自身、2014年に奥さんが子供を授かったことをきっかけに、お義父さん、お義母さんが今まで以上に元気になり、「孫」という生きがいができたことで活き活きと日々を過ごしている様子を目の当たりにしている。。

槇野さん「僕の娘が生まれた後には、お義父さん、お義母さんはそれまでより確実に元気になりましたね。」

「生きがい」によって高齢者の方も元気になれる、それを実感している槇野さんが関わるからこそ、良い事例や取り組みが生まれるのではないかと期待できる。

関西において、サービスグラントの取り組みを前へと進め広げていくことがこれからのビジョンだ。そして、槇野さんはそういった活動を通じて、人同士の繋がりや、何かが生まれる瞬間を目にすることのできるいまの活動に魅力を感じながら、引き続きプロボノを広げることに取り組んでいきたいと言う。

人とは縁という見えない力で人生が進んで行くものなのだと槇野さんのお話から感じた。

だからこそ、縁は大事にするものなのだろう。

2018年2月28日(水)15時30分~。大阪府内で活躍するさまざまな地域活動団体、各地の生活支援コーディネーター、行政担当者、アクティブシニア、企業人など多様な皆さまが一堂に集う大交流会。

NPO法人サービスグラントのご案内

認定NPO法人 サービスグラント

■サービスグラントとは

サービスグラントとは、ビジネススキルや専門知識を活かして、社会的課題解決に取り組む非営利組織(NPO・地域活動団体等)の基盤強化を支援する「プロジェクト型助成」です。「グラント(Grant)」とは、英語で助成金の意。「サービスグラント」は、お金ではなく、スキルや専門性によって非営利セクターを支援することを意味します。

■プロボノワーカー関連イベント・説明会のご案内

プロジェクトにはどんな人が参加し、プロジェクトはどんな雰囲気で進んでいくのか? どのような関わり方・ポジションがあるのか? プロジェクトご参加にあたっての疑問を解消していただくために、イベントや説明会を開催しています。
詳細はこちらから>>>

(文:水上雄二
(掲載日:2018年2月20日)